ゾイド徒然草 -251ページ目

シールドライガー再臨

 8月に発売が予定されているPS2ソフト『ゾイドタクティクス』の早期購入特典が判明した(公式HPによる)。BLOX版のシールドライガーである。

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 なんだ、凄くカッコイイではないか! 特に顔がアニメ版のそれに近く、本家キットよりスタイリッシュな印象になっている。


 巷ではこれが一般販売でないことを惜しむ声も聞かれるが、これはBLOX本来のコンセプトから外れるモデルだ。ゲームの購入特典というのは妥当ではないだろうか。

 というのは、BLOXは本来ブロック玩具として、組み替え、見立てを楽しむために設計されているものだからだ。このシールドライガーやインフィニティレオは元のモデルを再現することを主旨としており、BLOXのシリーズとしては馴染まないものがある(シールドの顔なんてシールド以外に使い道無いよ!)。メーカー的には「お遊び」の意味合いが強いだろう。


 しかし、今回のシールドライガー、大変魅力的に感じる。こりゃソフト複数買いして小隊を編成するしか! ちくしょー、なんで一般売りしないんだよ!

AZアッパー掌底

 今回は予告通りライガーについて。新日本プロレスの方の。

 妖本『ゾイド改造マニュアル』では、大上祐美子に続いて、獣神サンダーライガー選手(以下ライガーさん)にインタビューをしている。

 プロレスを全く知らない人のために一応解説。新日本プロレス(以下新日)とは日本最大のプロレス団体で、ライガーさんはジュニアヘビー級(体重100kg未満の階級)の帝王として君臨するマスクマンだ。得意技の「掌底」は骨法の「掌打」を応用した打撃技で、屈強の男たちを一撃でマットに沈める破壊力を持つ。いわばストライクレーザークローである。

 話を戻す。ライガーさんへのインタビューだが、これが大上へのインタビューと違って面白かった。企画の訳分からなさは同じなのだが、プラモ好きだった少年時代の話や、今でも怪獣模型を趣味にしている話はゾイダーとして親近感を抱くものだったからだ(彼の造形技術がセミプロ級なのにも驚かされた)。


 さて、ここからが本題。トミーはこの企画でできたパイプを使い、新日とタイアップするべきだったのである!

 具体的にはライガーさんに青いマスクを被らせて、「獣神ブレードライガー」として再デビューさせるのである。いや、あの妖本の刊行時期は『/0』をやっていた頃だったから「獣機神ライガーゼロ」でいこう。白いマスクのライガーさんも格好良さそうだ。決定。そして、新日にはアニメのスポンサーになってもらうのだ。

 このタイアップにより、お互いのファン層を相互に取り込めるというメリットが生じる。プロレスファンは特撮オタク、アニメオタクと被っていると言われており、ゾイドへの流入が見込める。もっとも、メインターゲット層ではないのでそれほど大きな収入増にはならない。しかし、新日がスポンサーに付くことによりアニメ制作費に余裕が出て、より質の高い作品を作れるようになる。これが宣伝効果となり、結果としてゾイド部門の収益が増すのである。

 新日側としてはこのタイアップが救いの神になる。若い人は知らないだろうが、かつてプロレスはゴールデンタイムで毎週放送があるほど人気だったのだ。それが今では少数のマニアのものに成り果て、業界一位の新日も、その放送枠は深夜帯となっている。これはプロレスの未来にとって致命的だ。なぜなら、そんな時間では子供たちが見ないからだ。このことはプロレス愛好者の高齢化が進み、ついにはプロレスというビジネスが成り立たなくなってしまうことを示している。ゆえに、若い新規ファンの獲得が急務なのである。

 新日がゾイドアニメのスポンサーになった。番組の合間には新日の興業のCMが流れる。その映像には大活躍する獣機神ライガーゼロ選手の姿が! 子供たちはエル・サムライや金本浩二をフォールするライガーさんの姿を生で見たいと思うだろう。こうして、徐々に人気を回復したプロレスは再びゴールデンに放送するようになる。そして、そこで流れるCMはゾイドのものなのだ! よ~し、ゾイドの人気がガンダムを凌駕するシナリオが見えてきたぞ!


 非現実的な案だと思うだろうか? ところが現実に、新日はテレビゲームとのタイアップで「ヒート」というマスクマンをリングに上げている。もっとも、これはゲームに人気が出た気配がないので成功したとは言い難いのだが……

 いやいや、そもそもライガーさん自体が漫画のキャラクターだったのだ。確固たる地位を確立した今でも、プロレスラー名鑑にはライガーさんの出身地がこう記されている。「永井豪先生の仕事場」と。入場テーマだってアニメ『獣神ライガー』の恥ずかしい主題歌を使い続けているのだ。永井先生は忘れているかもしれないが。



辻よしなりアナ「さあ、今宵リング上ではIWGPジュニアヘビー級選手権試合が行われております。王者・ライガーゼロ選手に挑むのは新星マスクマン、セイバータイガーであります。 ああーっと、セイバー猛攻、ライガー、ダウ~ン! セイバーがコーナーポストに登って、ムーンサルトプレス敢行だ~! ワン、ツー、──カウントツーで返します。どうですか、解説のマサさん? いまのムーンサルトの飛形には見覚えがある感じがいたしますが……」

マサ斉藤「あれは金本ですよ」

辻「え~っ!? マサさんそんなこと言っちゃっていいんですか? プロレス的に!?」

マサ「……」

辻「挑戦者セイバー、グロッキーのライガーに対してストンピング、ストンピング! これはたまらない、ライガー、思わずリング外にエスケープ。おや? ライガー選手がリングの下に潜り込んでしまいましたよ? ああっ、なぜかリング上にはリングアナのケロちゃんの姿が!」

ケロちゃん「ライガーゼロ、インストレーションシステムコール・イエーガー!」

辻「おーっと、リング下から弾かれたようにライガー選手が飛び出してきました。いや、違う、マスクの色が青に変わっております! 青いライガーです! 別人のように軽やかな身のこなしと圧倒的スピードでセイバーを追いつめていく! セイバーをロープに振って──必殺の掌底炸裂~ッ!! おっと、フォールに行かない、さらに三角跳びからの、シューティングスタープレス~! これは見たこともない神業だ~!! ワン、ツー、スリ~!! スリーカウント入りました、獣機神ライガーゼロ選手、5度目の防衛に成功~! いやー、劇的な変身、劇的な逆転でした。マスクの色が変わって、まるで別人のような動きに変わりましたが」

マサ「あれは別人ですよ」

辻「……。いったんCMです」


CM「最強のゾイドはこれで決まる。帝国軍、バーサークフューラー! ZOIDS ON! TOMY」


辻「あーっと、リング上で勝ち名乗りを上げるライガー選手を、乱入した何者かがKOしてしまった~!? あの異形のマスクマンは何者だーッ!?」

謎のマスクマン「我が名はバーサークフューラー!」

ゾイドルの星

 一昨日、「タイアップはテーマを持って徹底的に」という旨の話をした。タイアップというのとは違うが、今日は「ゾイドルの星」について。


 妖本『ゾイド改造マニュアル』については旧・徒然草でも何度か取り上げた。何度見ても冒頭の辞、「汝、改造(カスタマイズ)その先にあるものをつかめ!!」は国語教育の崩壊を見せつけられるようで目眩がする。

 おっと、脱線するところだった。この本の凄さを語ったらそれこそ本が一冊書けるほどなのだが、今日は「ゾイドルの星」について話すのだった。2ページを使って謎の企画、「ボクらが一緒にゾイドに乗りたいアイドル 名付けて ゾイドルの星」というシロモノが書かれている。曰く、「もし本物のゾイドがあったら!? ふたりでランデブーしたいアイドルを緊急直撃インタビュー!!」だそうである。それで、そのアイドルというのが大上祐美子。う~ん、大上祐美子か。正直なところ、大上祐美子と一緒にゾイドに乗りたいとは思えない。っていうか知らないし。


 調べてみると、キャリアの中で最も華々しいのが「ファンカーゴ」のCMっぽい。その後K-1ガールになったり色々あったようだが、フェードアウトしている。そんなB級アイドル大上がなぜこんな企画に呼ばれたのか。編集の暴走だとしか思えない。なぜかスッチーのコスプレさせられているのも。文中、弟がゾイドファンということになっているが、これもおそらく嘘だろう。

 本人は、なぜ自分がこんな意味不明な仕事をさせられているのか訳が分からなかったに違いない。それでいいんだ大上。私にも分からないから。そして、そんなやっつけ仕事でやっているような女とは、やっぱり一緒にゾイドに乗りたくはないのである。徹底が必要なのだ。我々が思い焦がれるゾイドルの星、それは自らゾイドにハマり狂うアイドルでなければならない。そんな女はいるはずもないが……


 いや、可能性はある!

 ヲタ兼アイドル中川翔子! 彼女を上手くゾイ道に導けば、相当なところまで開花する可能性がある。

 そこに可能性があるのなら、行動あるのみだ。それが漢である。まずは私が率先して電波を送ってみる。ゾイドルオタは我に続け!


次回予告

 明日は同書における獣神サンダーライガー選手について。

今更だが……

 ブログって何だ? 始めてから二週間になるが、実のところ未だによく分かっていない。特にトラックバックとか、トラックバックとか、トラックバックとか。


 実は、ゾイドのことばかり書くのも難しいので、真面目に天下国家語ったりするブログにしようか、などとも思っていた。今だったらそうだな……


「兵庫の脱線事故は日本社会が『より早く、より正確に』を要求し続けてきた結果、必然として起こったものである。遺族といえどもJRを批判する資格があるのか。まずは自己批判が筋なのではないか」


 とかなんとか言いたかったりするわけだが、思想的対立で本気で批判されたりするのは怖い。小生チキンでありますから。また、不勉強なので書くネタが尽きたときが痛くなりそうで止めた。なんか新聞の投書欄みたいなことを書いてしまいそうなのである。例えば、「今日電車の中で感心な中学生を見かけた」とか、「清掃活動に参加して、ゴミのポイ捨てはいけないと思った」とか。

 それに比べればゾイドをテーマにした方が安全牌だ。なにしろ元から痛い。ネタ切れで痛いこと書いたときのダメージはゾイドの方が軽いというものだ。お気楽極楽。


 しかしだ、やるからには上を目指したい。上位ランカーを。

 だが残念なことに、進撃は鈍っている。アメーバブログ内のランキングが表示されているのは皆知っていると思う。開設以来急速にランキングを駆け上がってきたが、もう頭打ちのようだ。見たところ、ブログのほとんどは三日坊主、一日坊主なので、毎日やってりゃ真ん中より上に来るのは当然といえば当然だったのだ。それが、自分の実力とゾイドという世界の狭さの壁にぶち当たった。

 「てっちり堂」は一日800ヒットくらいするのだが、それも携帯という土壌と二重カウントあってのこと。PCからこれを読んでいる人は左上のカウンターを見て欲しい。これを書いている時点で、まだ800に達していないのである。このカウンターは携帯からの閲覧ではカウントされず、その上二重カウントをしない設定にしてある。これが水増し抜きの私の実力というわけだ。ちょっと悔しい。


 どういう戦術をとったら伸びるのか。なにしろ、ゾイドというテーマがマイナーなので、それをあてにできないのが痛い。トラックバックとやらで自分の存在を広くアピールしていけばよいのか。なんか「俺が俺が」ってのは嫌だなぁ(見えるようにやるのは)。

ゾイドジェネシス 第三話感想

 今回の見せ場は、先週から続く殺陣ということになろう。尺としては全体の三分の一を占めており、力が入っている。しかし、残念ながら今作のCGパートは演出で無印『ゾイド』、『/0』に、技術で『フューザーズ』に水をあけられているように思う。少なくとも現時点では。

 印象が今ひとつになっている要因に、スピード感の欠如がある。もっとも、アクションの演出では「バレットタイム」のようなものもあり、スピードがないことが即ち悪いことにはならない。しかし、その反面として緊張感や重量感を演出できているかといえば、そうでもないのである。改善の余地がある(これは邪推になるが、スピードを犠牲にしても尺を伸ばさねばならぬ事情があったのやも……)。

 そうはいったものの、ムラサメブレードを振り回す立ち回りは今までのゾイドになかった動きである。新鮮で面白い。剣を右側に構えなおしたり、右、左と斬撃を繰り出しながら敵に迫る動きは琴線に触れるものがあった。

 ただ、人間の剣士であれば剣を振るうときに重心の移動が生じる。対して今回ムラサメの動きに、重心の移動というファクターは無かったように見受けられる。これが、重量感を感じない一つの原因だ。フレキシブルなアームで剣を振るう獣は、いったいどんな動きをするのか。現実にはあり得ない動作だけに、センスが要求される。今後の研究に期待。

 思えば今までの作品も、序盤と終盤ではCG技術に格差があったのだ。楽観的に構えておくか。


 物語としては、今回の戦闘でジェネレイターが破損してしまったことが、主人公の旅立ちの引き金になる(前回もそうだったが、息子を死地に送ることに逡巡もない父の哲学が天晴れ)。

 しかし、なぜジェネレイターが壊れると村が滅びるのか。なぜ田畑が荒れ、魚も捕れなくなり、病気まで蔓延するのか。これは、今ある環境がジェネレイターによって保全されていることを示唆している。惑星Ziはかつてポールシフトで環境が激変し、一度文明が滅びている。その先史文明の担い手が人類再建の要として最後の力で残したものが各地に残るジェネレイターで、現行人類の生命維持装置なのであろう。

 ここで考えられるジェネレイターの役割は次の二つの内どちらかになる。一つ目は、環境を大破壊以前の状態に復元・保全しようとすること。もう一つは、変わってしまった環境でも人々が生きられるように働きかけること。後者だとなんかナウシカチック、悲劇的で面白いかもしれない。

 それと、野良ゾイドがいないようなのが気になる。『フューザーズ』の時は掃いて捨てるほどいたが、今作では「ゾイドはレッゲルを燃料とする」という設定になっているからだろう。設定的に繋がりがある世界だとすれば、もしかするとそうなったのも大破壊以降のことだという可能性もある。例えば、生き残った人類がゾイドに駆逐されないように、先史文明の者がレッゲルというリミッターを設けた、とか。何にせよ世界の謎が物語の求心力として有効に機能しているのは評価したい。


 次回はいよいよレインボージャークの登場。ワクワクである。