抱かれたい男 No.1 | ゾイド徒然草

抱かれたい男 No.1

 先日、雑誌「anan」読者が選ぶ「好きな男」ランキングが発表になった。キムタクが驚異の12連覇。そして「嫌いな男」のボトムは今年も出川。なんというか、身も蓋もない。私もキムタクは嫌いじゃないし、出川はやっぱり嫌いだけど、ちょっと欲望の表出があけすけなんじゃないか。そういえば雑誌の題名からしてイヤラシイ。

 

 さて本題だ。歴代ゾイドアニメの主役で一番好きなのは?

 私は断然ルージ君である。まだ第一話しかオンエアされていないわけだが、過去の主役たちはその第一印象が悪かった。

 まず、バン。命名の由来が野蛮の「蛮」だというが、私が一番嫌いなタイプがこれである。やはりホモサピエンスであるからには最低限の知性が欲しい。初めて彼を見たのはブレードライガーが爆誕した回だ。当時の私はゾイドの復活とアニメ化を耳にしてはいたものの、所詮子供時代に置き去りにしたものだと無関心だった。たまたまテレビのスイッチを入れたらアニメをやっていて、新聞の番組欄を見たら「ゾイド」と書いてある。

「ああ、これが例の」

 そう思って少し見てみると、頭の悪そうなクソガキが「うおぉぉ!」とか吠えながら生身でゾイドに特攻して爆死していた。プ。確か、すぐにニュースか何かに変えたと思う(ゾイド熱再燃はその後だ)。

 ビットは、何とも捕らえどころのない飄々としたキャラクターであった。私は犯罪行為は好かないので、違法(と思われる)手段でジャンクを集めていたのはマイナス点だ(ピカレスクロマンなら話は別だが)。ただ、それは高い志を全うするための手段で、目的意識も明確。嫌いなタイプではないが、主人公としては少々浮世離れしすぎていた感がある。

 そして、言わずと知れたことだが、RDは底辺である。いきなり犯罪行為で登場。警察に追われている。しかも悪びれるそぶりもない。現実に置き換えれば、高速道路を時速200kmで走行、「誰にも迷惑かけてないだろ」とほざくような感じである。最悪。一応「伝説のゾイド」という目標はあるが、最後まで、あまり努力や成長も見られなかった。

 

 それらと比べてルージ少年のなんと好ましいことか! ゾイド乗りの家系に生まれながら無才であったルージは、それでも共同体に貢献するために体を鍛え、勉強もしてきたのである。一見線が細いが、結構胸板も厚いし二の腕も発達している。大人たちの会話から、素潜りは村一番だと推察されるし、サルベージするゾイドの推定質量から十分な浮力を有する艀も設計する能力もある。

 そして最も注目すべきは、本当はゾイドに対する熱い思いを押し殺していたことである。海中に沈められたときの「せっかくゾイドを動かせたのに、こんなのってありかよ」というセリフがそれを物語っている。好きなことだって、一番になるほど努力できる者は少ない。いわんや、そうでないことにおいてをや。

 ここに、子供番組である「ゾイド」で初めて、子供たちの見本になる主人公が誕生したのである。

 

追記

 バンも「ガーディアンフォース編」に入ると、立派な共和国士官として成長を遂げ、落ち着きと知性(と腹筋)を身につけている。カンペキダ! だが、完璧すぎて成長の余地が無くなり、主役としては少々魅力を欠いてしまった。残念!